本示談書は、会社の株主総会において取締役が解任された後、当該取締役が保有していた株式を第三者に譲渡する場合に活用できる法的文書です。
会社経営において取締役と会社との間に紛争が生じ、株主総会で取締役解任決議がなされた際に、円満な関係解消と将来的な紛争防止を図るために用いられます。
示談書には解任決議の効力を元取締役が明確に認める条項を含んでおり、その後の訴訟リスクを軽減します。
また、株式譲渡の詳細な条件や支払方法、権利義務関係に加え、競業避止義務、守秘義務、誹謗中傷禁止などの将来的な行為規制も明確に定めています。さらに役員報酬の精算や退職金の支払い条件も規定し、金銭的な紛争の種も取り除きます。
本文書は特に中小企業や同族会社において、株主兼取締役であった者が会社から完全に離脱するケースや、経営権争いの結果として取締役が解任されたものの、所有と経営の分離を図るために株式は譲渡するケースなどで効果的です。会社法上の株式譲渡制限会社においても、必要な承認手続きと合わせて活用することができます。
企業再編や事業承継、経営体制の刷新に伴う役員変更の場面でも、将来的な紛争防止のためのセーフティネットとして機能します。取締役会の決議だけでなく株主総会での解任の場合も対応でき、一般的な退職合意書よりも株式関連の事項について詳細に規定している点が特徴です。
適宜ご編集の上でご利用いただければと存じます。2024年4月1日施行の改正民法対応版です。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(解任決議の確認及び受諾)
第3条(株式譲渡)
第4条(株式譲渡代金の支払)
第5条(株式譲渡の効力発生時期)
第6条(会社資産の返還)
第7条(役員報酬の精算)
第8条(退職金)
第9条(競業避止義務)
第10条(引抜禁止義務)
第11条(守秘義務)
第12条(損害賠償請求権の相互放棄)
第13条(誹謗中傷の禁止)
第14条(株主権の不行使)
第15条(取締役の報告義務)
第16条(合意内容の変更)
第17条(合意内容の公表)
第18条(分離可能性)
第19条(紛争解決)
第20条(準拠法)
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