この雛型は、M&A取引における株式譲渡契約締結後に発見された表明保証違反、特に対象会社の在庫に関する表明保証違反について、訴訟手続によらず当事者間で円満に解決するための合意書として設計されています。
株式譲渡取引においては、譲渡人が対象会社の資産状況や財務内容について詳細な表明保証を行うのが一般的ですが、取引完了後に実際の状態が表明保証と異なることが判明するケースは少なくありません。
特に在庫については、品質劣化や陳腐化、過剰計上などの問題が後日発覚することがあり、譲受人にとって予期せぬ損失となることがあります。
本合意書雛型は、そのような場合に譲渡人と譲受人が協議のうえ、損害賠償の金額や支払方法、担保提供などについて合意し、紛争の早期解決を図るための包括的な内容となっています。
全20条の条文により、損害額の算定方法から分割払いの条件、支払遅延時の対応、権利放棄の範囲に至るまで、実務上必要となる事項を網羅しています。
適用場面としては、以下のようなケースが想定されます:
・株式譲渡後のデューデリジェンスで不良在庫の存在が発覚した場合
・クロージング後の棚卸しで在庫の実態と表明保証の間に乖離が見つかった場合
・譲受人が対象会社の経営を開始した後、販売不能な在庫が存在することが判明した場合
・在庫の品質や数量について譲渡人の表明保証と実態に相違があった場合
また、在庫以外の表明保証違反(財務情報、知的財産権、訴訟等)についても、適宜修正のうえ活用することができる汎用性も備えています。
適宜ご編集の上でご利用いただければと存じます。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(定義)
第3条(本件契約の確認)
第4条(不良在庫の確認)
第5条(表明保証違反の確認)
第6条(損害額の算定)
第7条(損害賠償額)
第8条(支払方法)
第9条(支払期限の厳守)
第10条(担保提供)
第11条(相殺の禁止)
第12条(権利放棄)
第13条(表明保証)
第14条(秘密保持)
第15条(通知)
第16条(地位の譲渡禁止)
第17条(契約の変更)
第18条(完全合意)
第19条(準拠法及び管轄)
第20条(誠実協議)
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